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| 小 浜 市 |
| 若狭湾の内湾である田烏湾に面している犬熊は、山を背にした13軒の漁村である。中世の古文書には「犬熊野」「犬熊野浦」と書かれており、猪鹿の巣と呼ばれるほどの荒浦であったものを、今の国富地区の一部に組み入れられ、開発されたといわれる。『明通寺文書』の中に「井のくま」と見えるが、これらが、「いぬくま」でなく「いのくま」と呼ばれるようになったいわれではないだろうか。 |
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| 山裾には、越前阿曽村の利椋(とくら)明神を勧請したという「得良(とくら)神社」がある。同じ日本海に面した海辺の村どうしが交流していたことが窺える。この神社には「もも石」による千度詣り神事があったり、神託によってこの地区では、胡瓜、南瓜などの蔓物の栽培をしないという風習がある。 |
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| 明治期には、組合員数13で漁業組合を設立し、沿岸漁業から昭和期に入り巾着網漁業に本格的に取り組んだ後、戦前戦後の最盛期を経て、昭和28年に解散した。その後、昭和40年に阿納坂トンネルが開通し、観光客の受入が容易となったため、全世帯が民宿業を営むようになった。 |
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| 戦前までこの地方にあった産小屋制度は、神仏信仰と海への畏敬を持ち、荒波に挑む男達の安全を願った制度ではないだろうか。 |
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| 犬熊集落 |
| ◆ | ひとくちメモ |
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正月14日の午後などに子供たちが「祝い木」などと呼ばれる木の棒や槌を持ち、めでたい唱え言をしながら、家々の戸口を叩いて回る「戸祝い」(ホトトなどともいう)が行われる。また、小浜市阿納は1月3日に、犬熊では1月5日に、春駒の変化と思われる「ハリゴマ」の行事が続けられたり、「戸祝い」の日に港に停泊している漁船などを祝い棒で叩いて回る「舟祝い」も行われる。
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