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敦 賀 市
御手洗
Mitarai


み た ら い


気比神宮は悠久二千年の歴史をもち、北陸道総鎮守・北陸一の宮の社格を誇っている。長い歴史を持つ古社は、ほとんどが清流のそばにある。穢れ(けがれ)を嫌い、禊(みそぎ)をする神社神道に清らかな水は不可欠であり、それは人工的に配管された管を通って運ばれる水道の水ではなく、地下から授かる湧水でなければならない。通常、神社に参拝する時は、参道を歩き本殿に向かうまでに手水舎があり、手と口をすすぐ。まさしく、神社と水は切っても切れない関係にある。
気比神宮の前を流れる川を御手洗川といい、その少し下流に「御手洗町」はあった。無論トイレの意味ではない。この「御手洗町」をさらに以前は「紙屋町」と呼んだ。
「紙屋」は鶏卵紙(とりのこがみ)を漉く紙屋が集まっていた所からついた名である。鶏卵紙とは、雁皮を原料とする滑らかで光沢のある紙で、色が鶏卵の殻に似ているのでこの名が付けられたという。原料の雁皮は、敦賀半島のものを用い、御手洗川の水と相まって最高の紙が出来たといわれている(「敦賀志」より)。こうしたことから、敦賀の鶏卵紙は上質の紙として広く知られ、小浜藩はもちろん朝廷、幕府にも御料紙として納められた。ちなみに、昭和62年に文化勲章を受賞した(故)桑原武夫氏の実家の祖父は紙屋久兵衛といい、この地で紙屋を営んでいた。
水量の豊富な木の芽川水系は、この気比神宮周辺に豊かで清らかな上質の水の恵みをもたらし、さらに自然の恵み「雁皮」と共に上質の紙となって結実した。
現在は「元町」と呼ばれている。


御手洗川
気比神宮大鳥居の前を静かに流れる御手洗川






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