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若狭路 歴史と食 秋
今回の旅人:小泉武夫(東京農業大学教授)
へしこ写真
若狭のへしこ考 

 若狭路で昔から保存食として作られている魚を糠漬けにしたへしこ。最近ではおいしさに加え、栄養面からも見直され、へしこ人気は全国に広がりつつある。食の専門家の小泉武夫教授がそのうまさの秘密に迫ります。

 ある時はリカオン、この間はハイエナ、先だってはタスマニアンデビルにたとえられるほど、どん欲で食いしん坊の私でも、年に一、二度は食欲が落ちる事がある。
「鉄の胃袋も疲れ気味なのかなあ」などと思いながらも、何か食ってやろう、という気力だけは絶対に落ちない。
  そんな時、ある一つの漬け物を焼いて食べると、あっという間に食欲が回復、ご飯が胃袋にすっ飛んで入っていく。「へしこ漬け」がそれだ。
「へしこ」とは「圧し込み漬け」から来たのだろうが、サバ、イワシ、ニシン、フグなどを糠漬けしたもので主に北陸の産物だ。相当古くから食べられてきた保存食品で、野菜の糠漬けと同じ感覚で漬けておき、食べたい時に焼いて食べるといった、家々で伝承されてきた発酵食品である。今では大都市の鮮魚店やデパート、スーパーマーケットなどでも売っているから重宝だ。

熟成途中のへしこ。樽から取り出すと、糠漬けの状態になっている
小泉武夫教授

こいずみたけお/
東京農業大学教授(醸造学・食文化論)。鹿児島大学客員教授、NHK国際放送番組審議会委員などを務める。『食と日本人の知恵』(岩波書店)など単著90冊

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若狭湾観光連盟